コラムCOLUMN

副業について① ~「時間で雇う」から「成果で雇う」時代へ~

スカウト スタッフ

スカウト スタッフ

2020年、瞬く間に世界中に広まった新型コロナウイルスは
これまでの社会システムを機能不全に陥れました。

ニューノーマル、withコロナ……。
流行の第一波を終えても終息の見えない現状を鑑みるに
私達人類はコロナウイルスとの共存の道を考えなくてはならないでしょう。

特に今後、求められるのは健康と経済の両立です。
経済活動を維持し、雇用を守るためにはこれまでの当たり前を一つずつ見直して
効率的で安全で幸福を実現できるシステムにアップデートする必要があります。

そんな時代ですから、これを今読んでいる方の中にも
「自分の会社は大丈夫だろうか」「この仕事を続けられるだろうか」
そんな不安を抱えていらっしゃる方も少ないくないかと思います。

経済活動の縮小に伴って雇用不安が広がっていく中で思ったのが、
もう一つ仕事を持ったらいいのではないだろうか? ということでした。

つまり、副業です。

スカウト スタッフ

ここで一旦、時計の針を2年前の2018年に戻します。

当時は至る所で【働き方改革】という言葉を耳にしていました。
この働き方改革とは、労働人口減少を危惧して生まれたものです。

1億2000万人前後いるとされる日本の総人口が2050年には9000万人前後、
2100年には4200万人前後になり、それに伴い、現在8000万人ほどとされている労働人口が
2060年には4500万人前後まで減ってしまうというショッキングな試算がでています。
労働の担い手が5割近く減ってしまう状況下で
これまで同様の経済活動を行っていくためには、生産性の向上は必須です。

そんな2018年に副業に関して大きな出来事があります。
厚生労働省がモデル就業規則を改訂したのです。
これは働き方改革・一億総活躍社会を踏まえた上でのもので、大きなトピックとなったのは
それまで原則禁止だった副業がこの改訂を期に解禁されたことでした。

この動きを受けて日本の大手企業が続々と副業を許可し始めました。
ただ、企業間でその温度感にはばらつきがあります。

社員のレベルアップや新しい働き方を見越して積極的に副業を推奨する企業がある一方で、
副業を希望する従業員を社内に残すために渋々許可した、
隠れ副業を防ぐために苦肉の策で副業を許可した等といった消極的な企業もあります。

このように様々な捉え方をされている【副業】という働き方に対して、
私たちは何を思い、どのように対応していけばよいのでしょうか。

スカウト スタッフ

副業を解禁している企業を見てみると労働時間の超過や情報漏洩など
副業に際して起こるデメリットを解消するために、
◆一定以上の勤続年数を超える社員に限定
◆同業他社での副業を禁止
◆週休2日制を解除
◆フレックスタイム制を導入

など、制度や環境を整えています。

更により詳細に様子を見てみると、業界や企業ごとにそれぞれ個性や特色があるのが分かります。

例えば、無給の「副業支援休暇」を制度として取り入れたり、
本業のスキルアップにつながる場合のみ副業を許可したり、社内での部署を超えた兼業を推奨したり、
会社ごとに独自のやり方で副業を推進しています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんな中特に印象的な取り組みをしているのが「100人いれば、100通りの働き方」を掲げるサイボウズ。
サイボウズでは本業に対してのサブとしての『副業』ではなく、
本業と副業という優劣を失くし業務全てを横並びの『複業』としてそれぞれを兼業する働き方も提案しています。

一人の人間が一社にフルコミットするのではなく、複数の企業にマルチにコミットしていく
という働き方は副業解禁以前の働き方と比べると、非常に新鮮なものに感じられます。

また、副業者を雇うことでアウトソーシングよりも踏み込んだ形で外部の知識やノウハウ、
新しい視点などを取り入れられるのではないかと本業先としてではなく副業先として就業者を募集する企業もあります。

一口に副業と言っても、企業や業界によって活かし方は変わっていきます。
なので、自分たちの状況に照らし合わせて副業という仕組みをどう活かすかを考えていくことが、
副業についての最初の一歩なのかなと思います。

スカウト スタッフ

冒頭で述べたように、近い将来、日本は多くの働き手を失います。
そんな状況を前にして、現在日本は従来の勤務スタイルをアップデートして、
新しい働き方を叶えていく段階にあるのではないかと思います。

限られた労働力でこれまで以上の成果を出すために労働力を効率的に分配する。
そんな環境下で個人は能力を高め、企業はそこで育った優秀な人材を柔軟に登用していく。
例えば、そんなサイクルが出来れば副業は多くの人間に利益をもたらしてくれます。

副業が一般化し、労働時間がより細切れになっていけば
従来の時間で雇うという考え方では難しくなってくる場面も出てくるかと思います。
いわゆるメンバーシップ型雇用よりもジョブ型雇用の方が副業との食い合わせはよさそうです。
より成果によった雇用スタイルが一般的になるかもしれません。

もちろん成果一辺倒ではなく、状況や環境に立場や能力によって
柔軟に対応できるようなシステムになればベターだとは思いますが…。

ともあれ、副業はそれだけを取り出してもなかなか上手く機能しないでしょう。
副業を機能させるには就労システムそのものを見直して
大勢の柔軟な働き方を許容できる社会になることが大切かと思います。
実際、そういった動きは少しずつですが始まっているみたいです。

【働き方】に明確な正解はありません。
それは人それぞれの立場や状況に応じて大きく変わっていくものだからです。
副業に関しても同じく明確な正解はありません。
だから、自分たちで考えて、時代に合った柔軟で自由な働き方を作っていく必要があります。

今後、仕事を取り巻く環境がどのように変わっていくのかは分かりません。
終わりの見えないコロナ禍は今後も経済に暗い影を落とすかもしれません。
ですがどんな時でも大事なのはまず状況を把握すること。そして、そこから打ち手を考える事。
副業に限らず様々な働き方を選択できる社会がいま求められています。

2018年に解禁された副業という働き方は徐々に当たり前のものとなってきています。
ここらで一つ副業について考えてみませんか?

画像

関連コラム

<副業について②>
副業導入前にチェックしておきたい注意点や就労者・雇用者、
それぞれの立場から見たメリットをまとめました!

© 2005 SCOUT co., ltd.